いかに生きるか

先日産経新聞に掲載された投書です。少し長いですがそのまま書いてみます。

「母は難病で施設にお世話になっており、ケアスタッフに大変良くしてもらって、不自由ながらも前向きに生活しておりました。4月下旬に胃に穴を開ける手術のために入院しましたが、順調に回復していました。退院を前に容体が急変し、私たちが到着したときには心肺停止状態。前日にも話をしていたので信じられませんでした。

母を送る一連の行事を通じて驚いたのは施設のケアスタッフのおそらく全員が弔問に訪れ、泣いてくれたこと。告別式は若い男女で埋め尽くされ、席が足りなくなりました。来てくれた人たちから、母に相談事や愚痴を聞いてもらったりして助けられたと入所中のエピソードを聞きました。母の部屋はスタッフの癒しの部屋だったそうです。

寝たきりで頭すら自分の意思で向きを変えられなかった母ですが、若いスタッフの皆さんの‘おかあさん’だったのかもしれないと思いました。いかに生きるかを教えられた気がします。」

辛いこと、どうにもならないことも世の中にはたくさんあるけれど、だからといってそれが自分が幸せでない理由にはならないということなのでしょう。我が身に降りかかったものを嘆くことなく、人の幸せを願える自分でありたいと思いますし、そのように生ききったこの方のお母さまのような人に私も近づきたいなぁと思いました。

いいお話をいただけたことを感謝しています。
by m_alchemia | 2006-07-06 23:16 | 日々の想い