鳥のさえずりをききながら

この数日すこしひんやりとして湿度が高いせいか、高原にいるような贅沢な気分を味わっている。小学校の給食が始まり、我が家も(というか桂が、というのがより正確なのだが)ようやく落ち着きを取り戻した。

6年生を卒業式で送り出し、自分たちが最高学年になり、新しいクラブや委員会も決まり(今年は飼育委員なのだそうだ)、春休みから塾に通い出したせいで食事の時間や勉強の時間、他の習い事の時間などに変更をせまられ、それら諸々が期待と不安を緊張とプレッシャーになってちょっと大変そうだった。

普段エネルギーの10%ほどで母親をしている私だが、さすがにこの一ヶ月は50%ほどを費やしていたように思う。(多いのか?少ないのか?)けれどももうそろそろ通常の10%に少しずつではあるけれど、戻していけそうなところまで来た。

その間桂はどんどんたくましくなった。
それを見ている50%の私は・・・あまり代わり映えはしていない。(苦笑)

子供はどんどん成長していく。芽吹いている木々たちをみると本当にこんな感じで子供はたくましくなっていくのだなぁと、嬉しくもあり、うらやましくもあり、喜ばしくもあり、私も今の自分を何とかせねばという気持ちにもなる。

昨日はそのあわただしい中で桂のバイオリンのレッスンについていった。子供のお稽古に熱心な教育ママのようでなんだかとっても自分には似合わないのだけれど、単にバイオリンのレッスンをみているのが好きなので週一回のお楽しみ気分でついていっているのだ。

桂は単にバイオリンが好きだから弾いている。好きなことしかしないので、宿題もしょっちゅう忘れるけれど、本人も母である私もあまり気にしていないので先生にはちょっと申し訳ない。でも先生はとても桂をかわいがってくださるのでありがたいな、と思っている。

先生は桂に対して音の注文をつけている。
丸い音、四角い音、激しい音、さびしい音・・・
昨日は「そこはもっとなんていうのかなぁ、『密度の高い音』で弾いて欲しいのね」と注文をつけられていた。

密度の高い音。分かるようで分からない、けれどたぶんそれしか言いようのない表現なのだろうと思った。桂は先生が言わんとしていることを彼なりに理解して、いろいろと試している。

「そうそう、そんな感じね~!」と先生に言われて、桂はうんうんと満足げにうなずいている。

そんな不思議なやりとりは今の桂にはここでしか味わえないものであるらしく、(それはテニスでもアトリエでも同じことだが)だからこそ塾に行ってもどれもこれも続けたい。やめられない。だから忙しい。けれどがんばる。そしてたくましくなる。(笑)

そしてその姿を目を細めて追いかけているうちに私は気づかぬ間に年をとっていくのか?いやいや、やっぱりそうも行かない。両頬をパンパン!とたたいて我に返ることを繰り返す日々である。
by m_alchemia | 2006-04-13 13:03 | 日々の想い