人はひとりでは成長できない。

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久しぶりに箱根の日帰り温泉に行きました。自宅から車で1時間ほどですが、この季節は緑も色濃く周囲も静かで、とても贅沢な気分になります。

ところで、温泉から上がってドライヤーで髪を乾かしている時にお隣の人の髪が腰丈まであって、長いなぁ、すごいなぁと眺めていたら鏡ごしに目が合ってしまいました。

一瞬しまったと思ったのですが、「ジロジロと眺めてしまってすみません。失礼でしたね。髪がとても綺麗だな、と思ったものですから」と謝ると、

「いいえ、こういう場所では自然に目が合っちゃう時がありますよね。全然気にしないでください。それよりも褒めてくださってありがとうございます」と笑顔で返してくれ、ほっとしました。

「ヘアドネーションっていうんですけれど、子供たちの医療用のウィッグを作るための髪の毛を提供するというのがあって、それがしたくて伸ばしているんです。うちの子供がよく病気をしたので、小児ガンのお子さんをよく見かけて、それで自分でもできることがあったらと思って。でもあまり手入れもしてなくて、結構枝毛もあるので、綺麗といってもらって嬉しかったです。」

相手の人と目があった時に、私はあわてて目をそらすことも、黙って会釈をするだけで終わらせることもできたのですが、声をかけてよかったと思いました。ハートを閉じるか開くかの選択というのは、そういうことなのかもしれません。

その方が帰り際に「こんなに無造作にしているのに、褒めてくださって嬉しかったです。本当にありがとうございました」と深く頭を下げていかれました。私の方こそ、みごとなものをみごとだと言っただけでこんなに感謝してくださって、本当にありがとうという気持ちになりました。相手の人ももちろんそんなことを口にしなくてもよい(それが本心でも)場面ではあったのに、わざわざそう言ってくださったことをありがたいと思いました。幸せな時間でした。

私がこんなふうに気軽に他人に声をかけることができるようになったのはいい年のおばさんになってからです。おばさんというのは便利です。でも本当はおばさんになっていなくても、そうできたらもっとよかったと思っています。

以前は世界をあまり信じていなかったのでしょう。幸せになるということは、つまり「世界を信じるかどうか」ということなのかもしれません。

怖がりな私は「世界を信頼する」ということがなかなかできませんでした。けれども私がその怖がりな部分を少しずつ減らすことができたのは、自分が、特に仕事を通じて、たくさんの方に愛する、愛されるということを教わってきたからだと思っています。それは本当にありがたいことだったと思っています。


by m_alchemia | 2018-06-19 21:28 | 日々のこと

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