日本語に魅せられる

今日はタロット大学の講師の打ち合わせに出ておりました。タロット大学では美しい日本語を大切にするという趣旨で必要以上の横文字を使わないということを徹底されます。例えばタロットの世界でよく使われるシンクロニシティーは共時性、シグニフィケイターは象徴、クリエイティブは創造といった具合です。同じような意味で言葉を安易に簡単な表現に置き換えないということもよく注意されます。

何故なら「語彙の貧困はそのまま私たちの思考力と洞察力の薄っぺらさに直結するから」というのがその理由です。

峻厳、豊饒、深淵、静謐、精緻といった言葉を厳しさ、豊かさ、深さ、静けさ、細かさという表現に置き換えることは簡単ですが、それを安易にしてはならない、その単語の意味をダイレクトに自分のものとして捉えるようにというのが私たちが教わり、そこで求められていることです。

講師である私たちも当然、辞書と仲良くならざるを得ません。そして辞書を引けば引くほど日本語の多様さ、奥深さ、美しさに魅せられていくのです。
by m_alchemia | 2005-04-08 23:10 | 日々の想い