までいの心

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福島第一原発から40㎞圏内にある、福島県飯舘村。(村の一部は30㎞圏内)
IAEAは独自に福島県内の土壌を測定、避難区域外の飯館村で「IAEA基準の2倍」に相当する放射性物質を検出したとしている一方で、政府は屋内退避外というこれまでの方針のままを貫いているというニュースを、少し私的感情を入れながらみています。

今年1月にラオスのピアラー小学校の開校式に出向いた際、一緒に同行させていただいたのが飯舘村の教育課の斎藤さんでした。(飯舘村はラオスのドンニャイ中学校建設を支援しており、その開校式が5月の予定だったと記憶しています)

ドンニャイ中学校訪問のブログ記事はこちら→ 

人口約6000人の飯舘村は自治体としては初めてアジアに学校支援プログラムを立ち上げたところだそうで、菅野村長が如何に情熱的な人であるのか、そのお人柄についても話題が出ていました。

一週間ほど前になるのか、新聞の一面に菅野村長の言葉が載っていました。・・・避難区域外と言われても、避難したい村民がたくさんいる、本当に避難しなくて大丈夫なのかと村民から問われ、村長として厳しい判断を迫られている。国が避難区域に指定してくれなかったことで正直がっかりした。何故なら、国が指定してくれれば、その避難場所も、避難経路も、それにかかるすべてを国が保障してくれるものだから。(現在は自主避難。けれども家畜を飼うなどの農家はそれもできず、そして村の農家の打撃は相当なものになっている)村と村民を思う村長の苦悩と、静かな怒りがとても伝わってきました。

ラオス滞在中に斎藤さんから「までい」という言葉を教わりました。
飯舘村の村づくりの理念は、「までいライフ」。 「までい」とは、”丁寧に”、”心を込めて”、”思いやりの心を持って” という意味の方言なのだそうです。

そんな「までいの心」を大事にする飯舘村のニュースを目にする度に、斎藤さんから教わった「飯舘村民歌」の歌詞が頭をよぎるのです。

  山 美わしく 水 清らかな 
  その名も 飯舘 わがふるさとよ
  みどりの林に 小鳥は歌い  
  うらら 春日に さららび もえる
  ああ われら 今こそ手と手 
  固く つなぎて 村を興さん 村を興さん

現在は土も汚染され、水も安心して飲むことができないという状況になっていますが、必ずもとのようにもどって、自然も、人の心も美しい村を取り戻していってほしいと強く願っています。
by m_alchemia | 2011-04-01 20:47 | 日々の想い