メヌエット

d0011725_1073061.jpg美しいバイオリンの音色で目が覚めた。桂がCDをかけたのだ。バイオリンの教材の付録についているCDで、桂はこのところこれがいたく気に入っているらしい。

電子レンジでご飯をあたため、自分の朝食用のおにぎりを結びながらごきげんで聞いている様子が伝わってくる。私が母親としての役目を果たしているかどうかという点を問わなければ、これはかなりの幸せである。

ベッドの中でバッハのメヌエットを聴いていた。バッハの旋律を追っているといつも思うのだけれど、本当に無駄がないなと思う。あまりにシンプルな旋律でこれ以上そぎ落とすところがないという感じがする。(バイオリンの初級用CDに入っている曲なので余計そう感じるのだが)それでいて本当に美しい。完璧だな、と思う。

その昔バッハの曲をピアノで弾いていたときにも同じことを感じていた。右手と左手のそれぞれのメロディーがとてもシンプルで、一つひとつの音が絶対不可欠のように存在して無駄がなく、それでいて両手で弾くと本当に深みのある美しい曲になる。

何も突飛な部分がないのに、けれどもこれ以上ないという際立った美しさがあって、それに感心しながら私はメヌエットを飽きずに聴いている。

合理化を求めすぎて味気のない世界がある一方で、どこまでも普通でありながらの美しい世界があるのだな、と。そんな思いに心地よさを感じながらまた一日がはじまった。こういうのも悪くない。
by m_alchemia | 2005-06-17 10:27 | 日々の想い