テンプル騎士団の古文書

現在公開されている映画「天使と悪魔」。

原作の描写がかなりグロテスクであったので観にいくことを躊躇していると友人に話した際に「ダ・ヴィンチ・コード」と同じような裏キリスト教史をもったサスペンスなら、といって紹介してくれたのが、表題の本「テンプル騎士団の古文書」(レイモンド・クーリー著、ハヤカワ文庫)である。

マルセイユ・タロットの成立の背景に神殿(テンプル)騎士団やカタリ派の教義が隠れていることもあって、クラスの中ではその名前だけは出したりしているが、そのあたりの史実を知りたい方には面白いかもしれない。

考古学者の女性が捜査官たち相手に、神殿騎士団やカタリ派について、またその歴史上の謎といわれている部分について分かりやすく語ってくれている。

また当然ながら錬金術について、あるいはグノーシスとカトリックの関係についても語ってくれている。

イエスは私たちと同じように一人の人間であって、その妻がマグダラのマリアであり、二人の間には子供が生まれ、その血は今もどこかで受け継がれているという「伝説」。この話の詳細にはパターンがあるけれどそれは本当に「伝説」なのか、という問いかけがこの本やダ・ヴィンチ・コードをはじめとする物語のテーマだ。

ヨーロッパの一筋縄ではいかない精神史、宗教史がコンパクトにまとまっているという印象の本。こういう視点で普段自分が扱っている内容を捉えてみるのも刺激があっておもしろいなぁと感じる一冊だった。
by m_alchemia | 2009-05-22 22:21 | 日々の想い