「彼のあり方」

私が楽しみにしているメルマガがあります。
ウエジョビメルマガ「私が一番受けたいココロの授業」。

上田情報ビジネス専門学校の比田井氏が出されているものです。
昨年、このメルマガをまとめた本「私が一番受けたいココロの授業」(ごま書房)
が、ベストセラーになりました。

毎回、はっとするようなことが書かれていて
専門学校の生徒さんと同じ気持ちになってお話を読ませていただいています。
読むたびにココロが素直になるような感じがいたします。

ウエジョビに感謝を込めて
ちょっと長いですが、今回抜粋でご紹介いたします。(^^)

・ ・ ・ ・ 

さて、ウエジョビの卒業生の話をします。
楢原君、という学生なのですが、平成7年の3月に情報処理科を卒業しています。

でですね、長野県内の企業に就職したんです。
その後、彼は、「トレンドマイクロ社」に就職をしました。

トレンドマイクロ社と言えば、「ウィルスバスター」というソフトで有名ですが、
外資系の会社で、セキュリティ関連の事業では、世界でもトップクラスと言えると思います。

そんな会社に中途採用されたんですよ。
スゴイですよね。

外資系、と言えば、よく「実力重視」と言われています。

経験も実力もあって、
自分のことをちゃんとアピールできる人でないと
なかなか就職できないですし、

入社してからも、自分の力でバリバリ進めて行かないと
とてもシビアに評価されてしまう…なんて
聞いたことがあります。厳しい社会なんですよ。

さて、そんなスゴイ会社に、なぜ彼は就職できたのか、
という話をしましょう。

彼は、情報処理科を卒業したものの、
実は、最初、コンピュータとは関係のない会社に就職をしました。

でも、「いつかやっぱり情報処理の世界で仕事をしたい」
と思っていたんでしょうね。

たまたま、インターネットでトレンドマイクロ社が求人していたのを見つけて
応募したそうです。

ところが、なんと当日、「日本列島台風直撃」ですよ。

しかも、ものすごく大きな台風で、新幹線も、その他の電車も軒並み「運休」です。

まさに、都市の機能が麻痺してしまった日で、
会社も臨時休業にしたところが多かったようです。

楢原君は、当時こちら(長野県上田市の近く)に住んでいました。
試験は東京ですから、新幹線で行こうと思っていたんですね。

でもね、前日ニュースを見たら、大変なことになっているわけですよ。
新幹線も止まっているわけですよ。

これはまずいと思って、車で行こうと思っていたんですって。

当日、夜中3時くらいに起きてニュースを見たら、
もう高速道路の長野自動車道や中央道も通行止めで、

一般道で行こうと思ったら、
ここから関東の方に抜ける「碓氷峠」が通行止め。

新幹線もダメ、高速道路もダメ、一般道もダメ

…こういう状況です。

みなさんなら、どうしますか。

多分ね、普通ならここであきらめて、会社に電話すると思うんですね。

「こういう状況で、とても行くことができません。
申し訳ないのですが、日時を変更していただけませんか」って。
私でも、多分そうしたと思います。
企業の人も、この状況をわかっていますから、

「あぁ、それは無理でしょう。当然ですよ。別の日に変えましょう」
って言ってくれると思うんですね。

でもね、彼はそうしなかったんです。さて、どうしたでしょうか。

彼は車に乗ったんです。

そして、なんと新潟に向かいます。
その時、台風は太平洋側に来ていましたから、長野から新潟までと、
新潟から関東への高速道路はまだ通行止めになっていなかったんですね。

そこで、上田から新潟に向かっていって、長岡市から関東自動車道で東京に向かう、
というルートを考えたんです。

もう、すぐに出発です。普通に上田から東京まで行けば
180キロくらいなのですが、新潟周りで行くと、400キロくらいあったそうです。
倍以上ですよね。

でもね、もうとにかく急いで車を走らせたそうです。雨がザンザン降りの中ですよ。

途中、休憩でサービスエリアに寄ると、もう、自分が通ってきたところが
ドンドンドンドン通行止め、通行止めって来ているんですって。
台風に追いかけられているんですよ。

もう、必死で、なんとか、命からがら東京にたどり着いたそうです。

そしたら、都内もすごいことになっていたんですって。
木とか看板とか、そこらじゅうに落ちていて、
人なんて全然歩いていないんですって。

そんな状況の中、会社に行って、面接試験を受けたそうです。
涼しい顔して普通に受けたそうですよ。
もう、そうするとね、面接官が驚いて聞くわけですよ。
「この状況で、いったいどうやって来たの?」って。

楢原君は、「これこれこういう状況で…無事に来れてよかったです」
なんて話をしたそうです。この時の面接試験、仕事の話、一切しなかったそうです。

一発合格ですよ。

私が試験官でも、間違いなく採用したと思います。

こんな状況ですから、普通だったら、電話をして、
「これこれこういう状況で、行くのは無理なんです」って言うでしょう。

確かに無理ですよ。
でも、彼は、そんな中、来たんですよ。

あのね、仕事って、「無理だ」と思えること一杯あるんですよ。
「不可能だ」と思えること、たくさんあるんですよ。

でもね、彼は、そんな、一見、無理だと思えるようなことに対して、
すぐに「これは、こういう理由でできません。無理です」
なんて言わないと思うんですよ。

逆に、「どうしたら、こんな無理と思えるような状況を打開することができるか」

「どうしたら、この不可能を可能にできるんだろうか」と
真剣に考えて、…考えるだけじゃなくて行動できる人なんですよ。

会社としては、そういう人、欲しいじゃないですか。
もう、のどから手が出るくらい欲しいですね。

こういう人なんですよ。
「何としてでも、うちに入社して欲しい」って思うのは。
でも、そういう人って少ないんですよ。

難しい仕事や、新しい事をするように言われた時って、

「無理です」って言ってしまう人やできない理由ばかりを考えてしまう人が
ものすごく多いんです。

みなさんも、友達や先生に言ったことないですか。

「そんなの無理」「無理、無理」「ありえない」…って。

よく、すぐに「無理」って言う人っていますよね。

その言葉って、仕事の上では、絶対に言ってほしくない言葉ですね。
そんなね、無理な理由なんていくらでも挙げられるんですよ。

…と言うことで、彼の生き方からそういうことを学んでほしいな。
そういう生き方を学んでほしいと、そんな風に思っています。

彼はね、インタビューの最後に
「いやぁ、あの台風、ラッキーでした」
って言っているんですよ。
確かに彼にとってはラッキーだったかもしれません。

でもね、別の人からしたら、
台風だったから電話して日を変えてもらってそれで受けに行ったけど、
もう楢原君が合格してしまっているわけだから、
その分、1名分は不合格になるわけですよね。

「あの台風の日に来てくれた人に内定を出したから、もう採用しません」
ってことになっていたかもしれません。
そうすると、その人からすれば、

「あの日、台風さえ来ていなければ…」

となるわけです。
多分、
「あの台風のせいで受験できなくて
おれは不合格になった。あの台風のせいだ…」

となるわけです。不思議ですよね。同じ台風ですよ。

だから、台風がいけないわけじゃないんですよ。
なんでもそうです。

周りの状況がいけないわけじゃないんですよ。

考え方ひとつなんです。
行動ひとつなんです。

同じ出来事でも、
みんなの考え方、行動、心のあり方次第で、
ラッキーにもなるし、アンラッキーにもなるんです。

いや、台風の中、行けってわけじゃないですよ。
何かトラブルがあった時…
一見無理だと思えるようなことが起こった時に、
「なんとかできないか?」って考えようとする、
そういう姿勢が大事だって言っているんです。

心ですよ。
彼のあり方ですよ。
それをちゃんと認めてもらったという
そういう話です。

彼は、
トレンドマイクロに就職できただけでもスゴイのに、
さらに大きなシスコシステムズに転職するくらいですから、
きっと、いい仕事をしているに違いありません。

会社で、業績をあげた人を表彰する制度があるそうなんですが、
そこで日本の中から選ばれて、
アメリカのどこかのリゾート地で行われた表彰式に行ってきた、
なんて言っていました。

彼はね、そんなにいい仕事をしているんですが、
話を聞いていると、とても謙虚で誠実なんですよ。

後から入ってきた、自分よりずっと若い後輩にも、
「これわからないから教えて」って
素直に言えるんですって。

後輩からいろんな事を学んでいるって言ってました。

謙虚ですね。
でも、こういう部分が
彼にいい仕事をさせるんでしょうね。

彼のあり方、本当に勉強になります。


*本日もお読みくださってありがとうございます。
「無理だ」と思ったとき、本当に無理なのか?ありえないのか?と自分に問いかける習慣を
持ち続けて生きたいと思います。(^^)
by m_alchemia | 2009-02-06 21:37 | 日々の想い