ひとつになるとき

今日はやすらぎの部屋の仕事を午前中で終えて、ギターを抱えマンドリンの演奏会に出かけた。私は地元のマンドリンアンサンブルに所属していて、そこでギターを弾いている。サークルとしてはこのような演奏依頼を年に数回いただく。場所は教会だったり公民館だったりといろいろだが、年に1度自分たちが主催する定期演奏会と違って、聴いてくださる方となごやかな雰囲気を楽しめるのが嬉しい。

演奏会の合間にふるさとや月の砂漠など歌詞を配って会場の皆さんと一緒に歌う。そうやって会場がひとつになっていく感じは本当に心地よく、ボランティアをする側とされる側、来客とスタッフなんていう境目がなくなって空気がひとつに丸くなっていく。それを肌で感じ、ながめるのが私はとても好きなのだ。

今日は認知症のお年寄りばかりだったので、施設職員の方が1時間の間皆が聴けるのかどうかをとても心配していらっしゃったが、皆さん真剣にこちらを見ていてくださり一緒に歌もうたってくださった。スタッフの方にもゆっくり和んでいただけていい時間だった。

ところで曲数として14,5曲。日ごろあまり楽器を手にして練習する時間がない私は代わりに曲をイメージしながらフレーズをできるだけ口ずさむ。自分の体の中に曲がなじむまでとにかくよく歌う。おもしろいものでうまく弾けずに指が止まるところは大概歌っていても歌が止まるのである。逆に自信を持って弾けるところは他のパートの音まで頭の中に響いてくる。

今回は依頼をくださったのが老人施設だったので、曲ももちろんそれなりの選曲になっていた。私は掃除機をかけたり、家の前を箒で掃きながら美空ひばりをうたったり、「じ~んせい、楽ありゃ苦もあるさ~」とやったりしていた。そういう時、初めは小声で歌っているのだけれど、だんだん調子に乗ってくると思わず声が大きくなっていて一人で恥ずかしくなっている。

けれどもそうやってギターを全く手にしなくても1週間口ずさんでいると格段にうまくなっているのだ。弾けなかったはずのところまで弾けるようになっている。我ながら実にいい方法を思いついたものだと感心している。

もっとも私が見つけたいのは練習しなくてもギターが弾ける方法ではなく、仕事や家事をこなしながらギターを手にする時間を確保することなのだが、ともするとそのことを忘れそうになる自分に苦笑している。こちらについてはその方法を見つけるのに今しばらく時間がかかりそうだ。
by m_alchemia | 2005-05-14 21:27 | 日々の想い