「国民総幸福量」

d0011725_1605349.jpgこのところの産経新聞にブータン王国が国民総生産(GNP)ではなく、国民総幸福量(GNH)という独自の哲学にに則って政策を行ってきたことに関する記事が連載されている。

「国民総幸福量」の概念とは目的と手段を混同せず、経済成長自体が国家の目標であってはならないこと。あくまでも目標は国民の幸せということに尽きる。経済成長は幸せを求めるために必要な手段のうちのひとつであり、富の増加が幸福に直接つながると考えてはならないというものだ。

この政策は1972年に現ブータン国王が16歳で即位してまもなく、国王自らが提唱して行われるようになり、以来30年以上続いている。最近はそれが世界的に注目を浴びるようになってきた。

ブータンは人口70万人ほどの小さな国だが、若き国王が「国民の真の幸福とは何か」を世界の現状に流されずに提示したことと、それに従うようにして国民が30年という長きに渡って暮らしてきたことに感嘆せずにはいられない。

私は20年前、この国を訪れたことがある。(私はこのときの、ドラム缶の中で煮立っているミルクティーをひしゃくで飲んだ経験が忘れられない。これ以上の紅茶はないのではないかと思うほどの絶品だった!)宗教心篤く、人にやさしいこの国の人々は何にもまして自分たちの国と国王を誇りに思っていた。

「物質的には確かに貧しいかもしれないが、私たちの国には物乞いもホームレスもいない。文化的には非常にリッチです。」という言葉にうなずけるものがこの国には確かにある。

インタビュー記事には2008年に今の国王が退位することが決まっているとあった。国王はまだ50歳だ。不安ではありませんか?という問いに対して、「そのことはとても残念だけれど、次期国王である24歳の皇太子も良い方ですし、国民にも非常に人気があります。ですのできっと大丈夫です。」と答えていた。

これからもブータンのすべての人々が幸せでありますように。
by m_alchemia | 2006-11-08 16:33 | 日々の想い