漫画家の心意気

「おねえちゃん、エロイカの最新刊買ったよ~!貸してあげる」という妹からのメールが届いた。やった!ガッツポーズ!!この会話は私が中学生の時からもう20年以上も続いている。もちろん当時は私の方がこづかいで買っていたのだが。

少し冷静になって考えてみればこの年になって漫画の最新刊が出たといって姉妹で喜んでいる精神年齢とはいかがなものか。しかしやはり嬉しい。心から嬉しい。。私と妹は両親のしつけの厳しさもあって、「リボン」も「なかよし」も買うことはなく、そしてもちろん漫画の単行本も買うことはなく少女時代を過ごしてきた。この「エロイカより愛をこめて」を除いては、である。私は「エロイカ」の少佐の大ファンなのだ。

今回、妹は漫画と並んで売っていたという「『エロイカより愛をこめて』の創りかた」という本もついでに買ったといって貸してくれた。作者の青池保子さんは中学3年生でデビュー、その漫画家生活40周年を記念して出版されたものだそうだ。

その本の中に以下の一節があった。

「傲慢に聞こえるかもしれないが、漫画家は誰しもその心意気で題材を選んでいるはずだ。決して自信満々なわけではない。だが、自負心をもって真っ直ぐ作品に向かって努力していけばその作家ならではの面白い漫画が描けるのだ、と私は思っている。

大切なのは題材に対する敬意だ。漫画だからといって、いい加減な扱いは失礼だし自分の仕事を貶めることにもなる。題材に関連する資料をできるだけ多く集めて、間違いのない知識を得たい。そこから新たなアイデアも湧く。創造力を駆使して自分流の漫画を創作するのはそれからだ。手抜きのない基礎工事の上にこそ、堅牢な創作世界が構築できるのだ」

大切なのは題材に対する敬意・・・

手抜きのない基礎工事の上の堅牢な創作世界・・・

それらの言葉を目にしたとき私がこの作者に惹かれる理由がなんとなく分かった気がした。漫画家に限らず、どんな職業についている人でもいい仕事をしている人は必ず人やものや伝統などに対して、何らかの敬意を払って仕事をしている。それがその人自身と仕事の出来栄えに品格をもたらしている。相手(この場合であれば読み手)に与える心地よさは、洞察力のシャープさとこの品のよさにあるといってもいい。それが作品のおもしろさにさらなる深みを与えてくれているように思う。

私もさすがに年齢的にはいい大人。漫画を読んで喜んでいるだけではなく、その仕事に向かう姿勢を学ぶ知恵を持ちたいものである。
by m_alchemia | 2005-05-04 22:50 | 日々の想い