状況は変わらなくても

先週「歓びを歌にのせて」という映画を観ました。心身ともぼろぼろになった世界的指揮者が片田舎の教会の聖歌隊に出会うことで生きる喜びを見出していくといった内容のスウェーデンの映画です。

聖歌隊のメンバーもその指揮者である主人公に出会ったことをきっかけに心の中に留めていた思いを一人一人が吐き出していきます。

別に勇気をもって口にしたからといって、アル中の夫の暴力がとまるわけでもなく、いじめがなくなるわけでもなく、恋人が自分の元に返ってくるわけでもなく、病気がよくなるわけでもありません。映画の中でもそれら取り巻く環境はなんら変わっていきませんでした。

けれども、本当はつらかった、ずっとがまんしてきた、悔しかった、悲しかった、そういったことを口にした事で確実に本人自身が変わっていく。私はここで生きているんだということが目の輝きになって現われてくる。そういったことを感じさせてくれる仕上がりになっていました。

想像していた内容とまったく違いましたが、あとからじんわりと心に沁みてきて、生きていくって大変なこともあるけれどいいものだな、と。
ストーリーの中で一人の女性が全身で歌い上げる歌が素敵です。
by m_alchemia | 2006-01-25 17:39 | 日々の想い