ターシャの庭

もう7、8年ほども前になるかと思うがターシャ・テューダーにあこがれて写真集を買い求めた。書店で見つけたときは本当に嬉しくて大事に抱えて家に帰ってきたことを思い出す。

最近NHKでとりあげられたということで(私は知らなかったのです!是非見てみたかった。)書店に行ったらたくさんの彼女の本が並んでいて驚いた。

彼女の美しい庭、美しい絵、そしてユーモアたっぷりの会話と生き生きとした輝きをもつ目。ターシャはガーデンはもちろん畑も持っている。ロウソクも自分で作るし、バターやチーズを作るための山羊も蜂蜜をとるための蜂も自分で飼っていた。糸を紡ぎ、染め、そして自分で機を織って服も作る。薪ストーブでとびきりおいしい料理もつくる。そして90歳になる今も幸せいっぱいに暮らしている。

私はとても彼女のように働き者にはなれないだろうし、それをめざすつもりもない。でもターシャの写真集は大切に手元に置いてある。そしてほんの少し疲れた時に、ほこりをはらってページをめくるのだ。

「一日の始まりは、風通しのいい明るい台所での朝食。摘みたてのイチゴにクリームをかけたもの。ハーブ入りのオムレツ、それにブルーベリーマフィン。摘んだばかりのイチゴほど、おいしいものはないと思うわ」

「89歳になった今も、いくつも計画があるの。バラの専門家になることはそのひとつよ」

「わたしはロマンチストなの。・・ロマンチストは、心が自由で何事も最大限に楽しめるの。ロマンチストになることは人生を楽しむ現実的な方法と言えるかもしれないわね」

「努力とやる気があれば奇跡も起こせると信じています」

たくさんの美しい花たちに囲まれて暮らすターシャの写真。一枚一枚めくっているうちに体の中があたたかくなってくる。心の深いところから力が湧いてくるような、私にとっての大切な癒しの本なのである。
by m_alchemia | 2005-11-17 22:24 | 日々の想い