完璧を目指したいからこそ

昨日マンドリンアンサンブルの演奏会を無事終えて(ちなみに私はマンドリンを弾いているのではなく、そこでギターを弾いているのです)、今日は一転良いお天気の中で祖母の50日祭を終えた。

コンサートミストレスを務めている方が「うまく弾けそうもないから演奏会には出ない」といった人について、演奏会の後でこう言った。

「誰だって完璧になんて弾けないし、弾かなくたっていいと思うのね。もちろん完璧に弾きたいとは思うわよ。でもね、完璧を目指したいのなら、とりあえずマンドリンを手にして弾かなきゃ始まらないじゃない」

だから一緒に弾こうよ、一緒に楽器を手にとっていい音楽を目指しましょうという励ましの言葉であったのだけれども、同時に彼女がソロの弾き手として自分に常に言い聞かせている言葉なのだな、と思った。
横で聞いていて心に沁みた。

完璧を目指したいのなら、楽器を手にしなければ始まらないでしょ。

今がどんなに未熟でも、そんなことはさほど問題ではないのだといってくれる言葉はなんと愛に満ち、あたたかいのだろうと思った。自分の未熟さを責め、他人の未熟さを責める空気に私はどうしてもなじめない。

始めることだ、続けることだ、あきらめないことだ。

それが生きるということだと思うから。
by m_alchemia | 2005-10-23 20:12 | 日々の想い