青空をみあげて

般若心経を心訳した柳澤桂子さんの「生きて死ぬ智慧」を読んだ。
いつも話題になった時期からワンテンポずれるのは
本は買わずに図書館にリクエストをすることにしているからである。
だからものによっては数ヶ月も経ちリクエストしたことも忘れた頃に
電話がかかってくるのだ。

しかし今回は結果としてこの静かな静かな時期に
この本を手にすることができたことに大きな導きを感じている。

「宇宙は一つづきですから
 生じたということもなく
 なくなるということもありません
 きれいだとか 汚いだとかいうこともありません
 増すこともなく 減ることもありません
 「空」にはそのような
 取るに足りないことはないのです」

そのような取るに足りないこと。
そうなのかぁ。取るに足りないことなのかぁ・・。

この部分に触れた時に思いもかけず、なんともいえない安堵感に包まれた。

この安堵感の行き着く先はどこなのだろう。

いい本に出会うとつい手元に置いておきたくなるのだが
「弓と禅」同様、この本も手元に置いておいてはいけないような気がした。

それよりもしっかり心に刻み込んで
真の意味で私のものにしなければならないものだと思ったからだ。

「形のあるものは 形がなく
 形のないものは 形があるのです」

私はこれからどこへ向かっていくのだろう。
それはとてもとても楽しみなことなのである。
by m_alchemia | 2005-09-08 21:15 | 日々の想い