自分らしくあるための

行きつけの美容院に行く。
いつもカットをしてくださるKさんは私にとってのヒーラーの一人である。
ご本人が体調を崩したことをきっかけに最近は1時間に一人しか予約をとらなくなった。そのためになかなか思う日に予約がとれなくなっている。今は一日どれくらいの方の髪をカットなさるんですか?と聞いたら8人だね、という。それでも一番多いときの半分になったといっていた。

「予約を断るのってすごく勇気がいるんですよ。今でもこのやり方でいいのかな、って思うこともある。売り上げも減るしね。でもたくさん仕事しすぎると、この仕事嫌いになっちゃうんだよね。お客様との出会いが楽しいって言いながら、お前じつは借金返すためだけに働いているだけなんじゃないのか?って声が内側から聞こえてくる。

どうせするなら、自分らしくやっていくために努力ってしたいから。がまんするための努力はもうしたくないって思うんですよ。」

自営業者として迷うところ、不安に思うところはやっぱり同じだ。
本当にこのままやっていけるのか、自分らしさを大切にしていたらお客様が離れていってしまうのではないかという声がいつもいつもつきまとう。

でも彼と話していると「美保さん、どの業界でもみんな不安は抱えてる。俺もその不安ってなんとかしたいなぁって思うけど、仕事していく以上それはやっぱりしょうがないっすよ。」と笑ってくれるので、その笑い声を聞いているだけでなんとなく、やっぱりしょうがないよね~とこちらもなんとなく笑うことができるようになってくる。ありがたいなぁ・・。

予約を断るようになったらお客様が当然だけれどたくさん離れていくと言った。けれど、そのぶんビックリするくらい紹介者が増えたとも言っていた。

「とりあえずこの業界も先がどうなっていくのかまだ見えないし、今はお客様が少なくなった分、濃い仕事をしたいって思ってる。だからこのままのやり方でしばらくやってみます」

順調そうに見えている人であっても、やはり皆試行錯誤の真っ只中にいる。

美容院を出て「星になった少年」の映画を見に行った。柳楽優弥という青年は真っ直ぐなきれいな目をしている。キャスティングが非常によくて、それぞれの喜びや戸惑いや思いやりが丁寧に織り込まれていてそれが見ていて気持ちが良かった。

Kさんが言っていた「どうせするなら自分らしくあるための勇気と努力でありたい」という言葉が重なって私にとってはとても印象に残る映画になった。
by m_alchemia | 2005-08-12 17:10 | 日々の想い