偶然に励まされて

先日FESへの提出レポートの翻訳をお願いしたIさんからメールが届く。翻訳料の見積もりがン十万円になり、Iさんからは「大丈夫でしょうか・・」というお気遣いまでいただいてしまった。ちょっと覚悟はしていたけれど予定金額を大幅に超え、一瞬息が止まり、冷や汗が出て、ついで胃が痛くなった。

今さら引っ込めるつもりはないので「もちろん最後までどうぞよろしくお願いします!」といさぎよい返事はしたものの、さてさて・・・・。

胃の痛さをこらえつつ数時間したときに、もう一通別のメールが届いた。
以前お世話になっていた出版社から中学生向け問題集の校正の依頼だった。

教科書が全面改訂になる前年は教科書準拠の問題集の製作、校正の仕事現場はかなり忙しくなる。人手が足りなくなって私の元にまで仕事が回ってきたのだ。

私はもちろん、即OKの返事を出した。校正の仕事はかなりのボリュームがあったので、結果として翻訳料の半額はこの校正の仕事でまかなえることになり、翻訳料は当初の私の予算内でおさまることになった。私の胃の痛みも無事おさまった。

私も嬉しく、出版社の担当者も嬉しく、翻訳のIさんもきっと嬉しく、すべてが綺麗におさまった数時間の出来事であった。

綺麗におさまった、というのはもしIさんからのメールより出版社からのメールの方が数時間早かったら、私はこの真夏に2ヶ月もかかる校正の仕事をこんなに気持ちよく引き受けなかったかもしれないからである。しかし、実際の私はこの仕事の依頼を涙が出そうなほど感謝して引き受けることが出来た。

起こる出来事の順序が一つ違っただけでこんなに気持ちが変わってしまう。

偶然というものは不思議なものだが、この偶然が大切なところでいつも私を支え、励ましてくれている。

本当に守られているなぁ、ありがたいなぁと思う。

それにしても「いつも支えてくれている」と分かっているはずなのに、胃が痛くなってしまうこの気の小ささは、ああ何とかならないものだろうか・・・。自分の胃に向かってしっかりしろと言葉をかけつつ、少し優しくその部分をなでてみたりしているのだが。
by m_alchemia | 2005-07-06 13:11 | 日々の想い