「どんな状況にあっても心を折らずに楽しみたい」

囲碁棋士の張栩(ちょう・う)氏のインタビュー記事を読む。
張栩氏は日本囲碁界の7大タイトル(棋聖、名人、本因坊、十段、天元、王座、碁聖)をすべて制覇し、23年ぶりに史上2人目のグランドスラムを達成した。

その氏のインタビューの中で、「相手を尊敬することが結果として自分を強くする」ということが印象に残る。

「自分とは違う感性だなと感じる時は、それがもしかしたら自分の足りないところや弱点じゃないかと思って、なるべく吸収するように心がけています。

勝負の世界とはいえ、相手を親の敵のようにして戦っても、何も得られるものはないと思うんですね。負けたら素直に相手の着手の素晴らしい点を吸収する。勝っても、相手のよかった着手を勉強し、自分になかった点があればそれを教えてくれたことに感謝する。相手を尊敬することが、結果的には自分を強くすることに繋がっていくと思います。」

重みのある言葉だった。

張栩氏は何歳なのだろうと思って調べてみたら、今年30歳とのこと。若い。。(^^;)
若くしてこの言葉、この実績!

「囲碁のように白黒はっきりつく勝負の世界に限らず、事業家でも芸術家でも、どこかで人生を賭けた大一番の勝負をしているはずです。一度は寝食を忘れすべてを注ぎ込む時期を経ない限り、道は開けていかないと思います」

・・・とはっきり自分の言葉で語れる人だ。この人のことを私は写真でしかみたことがないけれど、言葉の通りのまっすぐな目をしているのが印象的だった。

6歳半から23年、10歳で単身日本に渡ってきた囲碁一筋のプロの言葉だ。久しぶりに背筋が伸びた。


*本日もお読みくださいましてありがとうございます♪
by m_alchemia | 2010-06-13 20:57 | 日々の想い